キシルのものづくりの旅へ。山から工場、お店を巡る店舗スタッフ「森林ツアー」
2022.08.11 Thu
[ コラム ]
都会にもお店が増えてきた中で、山の木がどうやって家具になるのか?頭ではわかっていても実感し辛いところを補うために店舗スタッフの社内研修の一つとして、キシルのものづくりの一連の流れを見学する「森林ツアー」を開催しました。今回のツアーは、家具が出来上がるまでの過程、全6ヶ所へ。山からはじまり、丸太を製材・加工する工場、そしてお客様の元へ届けるお店や倉庫まで。
「みんなにあれもみせたい、これもみせたいって思ってたら、バスをチャーターしちゃいました。」と笑う、代表の渥美のガイドを聞きながら、店舗スタッフたちと丸1日かけてぐるりとまわってきました。
丸太の故郷へ(山)
まずは木の命が育まれる山からスタート。今まさに伐採の作業をしているエリアへ。
担当の相佐(あいさ)さんから、日本の山の現状のこと、管理方法など、目の前の木を指差しながら丁寧に説明していただきました。道沿いには、管理されていない林と人の手が入れられた林があり、その違いは思わず「わー!」と声をあげるほどの驚き。
人の手が入ったエリアは、キラキラとした太陽の光が溢れ、木々が気持ちよさそうにすーっと伸びています。風が吹き抜ける姿が目に見えそうなくらい、清らかな空気。
「大事なのは、どれだけ人の手を入れたか、なんです。とくにひのきは。」そう話す相佐さん。
木の成長をみながら、キシルのために、と準備されているエリアもあり、大切に育てられた木の美しさを最大限に生かすことが私たちに託されていると、改めて受け止めた時間となりました。
山から町へ(市場)
市場は、丸太の売り買いが行われている場所です。キシルがはじめてこの場所に飛び込んだときの話や、良い丸太の見極め方など、渥美の説明にも熱が入ります。
年輪を見るだけで、手入れがされて育ったかどうか、育った月日で日当たりにバラつきがあったかなどが分かるとのこと。積み上げられた丸太を眺めていると、木にもいかに個性があるのかが伝わってきます。
丸太から木材へ(東工場)
続いては、丸太の製材を行っているキシルの東工場へ。轟音を鳴り響かせる機械の迫力と、一工程ずつ、冷静に慎重に丸太を切り出していく職人の姿を目の前に、店舗スタッフたちも息を呑んで見つめていました。
美しい木目が出るよう、丸太の向きを変えながら切り出すことができるのは、熟練の技だからこそ。キシルのものづくりは、こうしたこだわりの積み重ねで、唯一無二の家具をお客様へ届けることができています。
木材から家具へ(南工場)
東工場で製材し乾燥を終えた板材は、主に加工を担う南工場へ運ばれていきます。大きな機械をつかって板材を整えていく工程や、試作、検品、塗装、梱包の現場までまるっと見学しました。
木を扱う工場は、火事のリスクを最小限に抑えるため、冷房機も暖房機もほぼありません。7月のこの日は既に蒸し暑く、汗を流しながら黙々と、丁寧に作業をしている仲間の姿を目の当たりにし、普段なかなか接点がなくても、いろんな場所でいろんな人がキシルというブランドをつくっていることを体感できたひとときでした。
旅立つその日まで(配送センター)
工場をまわったあとは、キシルの商品を格納している配送センターへ。整然と並ぶダンボールは、大きさもさまざま。店舗スタッフは、届くときのダンボールサイズに実感がなかったようで、「こんなに大きいのか!」と驚く姿も。家具のお買い物という、ものとしての大きさ、暮らしの中における存在の大きさの両方を感じます。
お客様と出会う場所(浜松店)
最後は、浜松店へ。吹き抜けの開放感が心地よい浜松店は、お客様が長く滞在しやすい空間づくりがされています。スタッフたちは、他店舗のディスプレイやレイアウトなどに興味津々。細部までじっくりと見学していました。
山→工場→お店まで、家具が出来上がりお客さまの元へ旅立つ現場まで巡った「森林ツアー」。ツアーを終えたスタッフからは、こんな声が集まりました。
「お店の家具の状態では忘れがちな『自然の大きさ』を肌で感じることができ、圧倒されました。」
「それぞれの役割がなくてはならないものだと思えたことで、自分もその中の一人だと実感することができました。」
「良い素材で良い家具であることは間違いなく、それが『なぜか』まで理解できました」
「いろんな会社のいろんな人たちの協力があって、一つの家具をお届けできていることがわかり、たくさんの想いが詰まっているんだと改めて感じました。」
長年の試行錯誤を経て生み出した、キシルだからこそのものづくり。森から生まれた命を、みなさまの暮らしへ。たくさんの人の手でつないでいるバトンを、この先も大切にお届けしていきたいと思っています。